地形・地質④ 黒っぽい土ができる場所

黒い土には2種類ある?有機質土と黒ボク土の違いをわかりやすく解説

「地形と地質シリーズ」第4回では、黒い土と農業の関係について紹介します。

地域によって、土の色が赤っぽかったり、黒っぽかったり、灰色がかっていたりすることに気付いたことはありませんか?

実は、土の色は地形や地質、そして土ができた環境を知る大きな手がかりになります。

今回は、黒く見える土の代表である**「有機質土」と「黒ボク土」**の違いや、それぞれが農業とどのように関わっているのかを解説します。


黒い土には2つのタイプがある

一見どちらも黒い土に見えますが、成り立ちは大きく異なります。

有機質土

有機質土とは、地表から50cm以内に泥炭が25cm以上堆積している土壌です。

黒ボク土

黒ボク土とは、火山灰を母材として形成され、地表から50cm以内に黒ボク土層が25cm以上ある土壌です。

どちらも黒く見えますが、黒くなる理由や形成された環境は異なります。


有機質土とは?

有機質土に含まれる泥炭は、植物の遺体が十分に分解されないまま積み重なってできたものです。

「炭」という名前が付いていますが、木炭のように加熱してできたものではありません。

泥炭は、水分が多く気温の低い環境で形成されやすく、代表的な場所として次のような地形があります。

  • 火山活動によってできた高地の緩やかな窪地(例:尾瀬ヶ原)
  • 寒冷地にある後背湿地

どちらも水がたまりやすく、植物が分解されにくい環境であることが共通しています。

泥炭地はぬかるみやすいため、そのままでは農業利用が難しい場合があります。

例えば北海道の石狩平野では、客土などの土壌改良が行われ、現在では広大な水田地帯として利用されています。


黒ボク土とは?

黒ボク土は、火山灰が長い年月をかけて風化し、有機物と結び付くことで形成される土壌です。

日本は火山活動が活発な国であるため、黒ボク土は全国各地に広く分布しています。

火山灰と聞くと燃えた後の灰を思い浮かべるかもしれませんが、実際にはさまざまな鉱物の細かい粒子からできています。

また、日本では偏西風の影響により、火山の東側に火山灰が運ばれやすく、黒ボク土もその方向へ広がる傾向があります。

黒ボク土は、

  • 排水性(透水性)が良い
  • 保水性にも優れている

という特徴があり、多くの畑作物の栽培に適した土壌として利用されています。


土の色から、その土地の成り立ちが見えてくる

黒い土であっても、有機質土なのか黒ボク土なのかによって、でき方や性質は大きく異なります。

その違いは、地形や地質、気候など、その土地が歩んできた歴史を反映しています。

身近な畑や田んぼの土の色にも注目してみると、「なぜこの土になったのか」という新しい視点で農地を見ることができるかもしれません。

土壌の種類についてさらに詳しく知りたい方は、「日本土壌インベントリー」で地域ごとの土壌分布を調べてみるのもおすすめです。


土壌分析は「土の色」だけでは分からないことを知るために

土づくり企画では、土壌分析や施肥設計、土づくりの提案を行っています。

土の色は、その土地の成り立ちを知るヒントになりますが、同じ黒い土でも有機質土と黒ボク土では性質が大きく異なります。また、見た目だけでは養分のバランスやpH、保肥力などを判断することはできません。

だからこそ、地形や地質とあわせて土壌分析の結果を読み解くことが、より効果的な土づくりにつながります。

土壌分析を栽培改善に活かしたい方や、圃場に合った施肥・土づくりを検討したい方は、ぜひ土づくり企画の事業内容をご覧ください。

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★補足情報★

(参考書籍)

日本の土壌事典 分布・生成から食料生産・保全管理まで 日本土壌肥料学会 日本ペトロジー学会[監修]、2023、朝倉書店

(参考サイト)

日本の主な山岳|国土地理院

日本土壌インベントリー