地形と地質② 谷底平野、河岸段丘、扇状地

今回は「地形と地質シリーズ」の第2回として、河川がつくる地形について紹介します。
農地を見るとき、「この畑はどんな地形にあるのだろう」と考えたことはありますか?
実は、地形は土壌の性質や水はけ、栽培される作物とも深く関わっています。地形が分かるようになると、農地を見る視点が大きく変わります。
今回は、河川によって形成される代表的な地形である**「谷底平野」「河岸段丘」「扇状地」**の3つを紹介します。
谷底平野
谷底平野とは、山間部の谷の底にできる幅1~2km程度以下の細長い平地のことです。
河川が長い年月をかけて運んできた土砂が堆積することで形成されます。
標高が比較的高く冷涼な気候を活かし、高冷地野菜の栽培が盛んな地域も多く、トマトやワサビなどの生産に利用されています。
河岸段丘
河岸段丘は、川沿いに見られる階段状の地形です。
地盤の隆起や海面の低下などにより、河川がさらに地面を削ることで段差が形成されます。古い段丘面ほど高い位置に残ることが特徴です。
比較的平坦で利用しやすい地形ですが、水を確保しにくい場所も多いため、水田よりも畑や果樹園として利用されることが多く見られます。
扇状地
扇状地は、山地から流れ出た川の流れが緩やかになる場所で、砂や礫が広がって扇のような形に堆積してできる地形です。
日本各地で見られ、水はけが良いことが特徴です。
規模の大きな扇状地では水田、小規模な扇状地では果樹園などに利用されることが多くあります。
例えば富山県の大きな扇状地では水田として利用されていますが、耕作しやすいように客土が行われている地域もあります。
地形を知ると農地の見方が変わる
今回紹介した地形は、皆さんの地元や実習先にもあるかもしれません。
地形について詳しく調べたい方は、国土地理院の地形図や地理院地図を活用するのがおすすめです。
土壌や作物だけでなく、「地形」という視点を持つことで、農地の特徴や栽培環境をより深く理解できるようになります。
ぜひ動画とあわせて、身近な農地の地形にも注目してみてください。
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★補足情報★
(参考書籍)
三訂版 視覚でとらえるフォトサイエンス地学図録、2016、数研出版
日本の土壌事典 分布・生成から食料生産・保全管理まで 日本土壌肥料学会 日本ペトロジー学会[監修]、2023、朝倉書店
最新地理図表GEO(改訂28版)、2023、第一学習社
地形のきほん やさしいイラストでしっかりわかる 目代 邦康/著、2025、誠文堂新光社
(参考サイト)
国土地理院ウェブサイト
地理院ホーム >地図・空中写真・地理調査>主題図(地理調査)>日本の典型地形について >4.河川の作用による地形
宮川の谷底平野
黒部川扇状地
