地形・地質④ 黒っぽい土ができる場所

地域によって土が黒っぽい理由、知っていますか?

今回は「有機質土」と「黒ボク土」の違いを紹介!

地形と地質がどんなふうに関わっているかを、農業との関係もふまえてわかりやすく解説します。

土壌に興味がある農学部生、必見です!

【051】地形・地質④ - YouTube

地域によって土が黒っぽい理由、知っていますか?今回は「有機質土」と「黒ボク土」の違いを紹介!地形と地質がどんなふうに関わっているかを、農業との関係もふまえてわ…

ひかる泥団子チャンネルです!
今回も地形と地質の動画です。
みなさんは地域によって、土の色が違うなって思ったことありませんか?
赤ぽかったり、黒ぽかったり、グレーに近かったり。
これらの色は地形と地質、両方の影響うけています。
今回は、黒い土と農業のつながりについて、紹介します。

黒っぽく見える土にも、実は2つのタイプがあります。
その名前は「有機質土」と「黒ボク土」。
それぞれ、ちゃんと分類の基準があって、
有機質土は、地表から50センチ以内に泥炭物質が25センチ以上あること。
一方、黒ボク土は火山灰に由来するのですが、地表から50センチ以内に黒ボク等の特徴が25センチ以上あること。
黒く見える原因のもとが、少し違います。

では、有機質土から詳しく紹介します。
有機質土に含まれる泥炭は、炭とついていますが、加熱してできる炭ではなく、
植物の遺体が分解されきらず、植物の形がわかるまま堆積したものを指します。
泥炭は、主に水分が多く、寒い地域で形成されます。
できやすい地形には大きく2つあげられます。
ひとつは、火山活動でできた、高地にあるゆるやかな窪地。湧き水と涼しさで泥炭ができやすく、尾瀬ヶ原などがあげられます。
もうひとつは、寒い地域にある後背湿地。水はけが悪いことも重なり、こちらも泥炭がたまりやすいんです。
泥炭地は、ぬかるみが強いので、農業に使うには改良が必要です。
北海道の石狩平野の泥炭地は、客土して、稲作地帯として開発された経緯があります。

次は、黒ボク土。
黒ボク土は植物遺体からさらに分解されてできた有機物を多く含んでいて、火山灰が風化してできます。日本の地質・地形の特徴として火山の存在は欠かせません。
「灰」って聞くと、燃えたあとの灰をイメージしがちですが、中身は違います。
有色鉱物とか無色鉱物とか、火山灰は小さな鉱物がもとになっています
分布に関しては、偏西風の影響で、火山の東側に黒ボク土が広がる傾向にあります。
黒ボク土は透水性がいいのに、水持ちもいい性質があります。
これらの性質は畑作物などの栽培に向いています!

いかがでしたか?
黒っぽい土、皆さんの近くにもあるかもしれませんね。
詳しく知りたい方は、「日本土壌インベントリー」などで、分布を調べてみるのもおすすめです。

★補足情報★

(参考書籍)

日本の土壌事典 分布・生成から食料生産・保全管理まで 日本土壌肥料学会 日本ペトロジー学会[監修]、2023、朝倉書店

(参考サイト)

日本の主な山岳|国土地理院

日本土壌インベントリー