地形と地質③ 氾濫原(自然堤防・後背湿地)、台地

農学部生向けに、地形と農業の関係をわかりやすく紹介します!
今回は、氾濫原と台地の特徴です。自然堤防や後背湿地、台地の成り立ちがわかれば、身近な景色がもっと面白く見えるかも?!
ひかる泥団子チャンネルです!
地形と地質をテーマにした動画シリーズ、今回は第3回目です。
前回に引き続き「地形」がテーマですが、今回は平地でよく見られる地形を紹介します!
河川がつくる「氾濫原」と、平野部によくある「台地」について見ていきます。
氾濫原の中でも「自然堤防」と「後背湿地」という特徴的な場所にも注目します!
まず、河川の働きには大きく3つあります。
1つ目は「侵食作用」。川の流れが地面を削る働きです。これが、河岸段丘などを作り出します。
2つ目は「運搬作用」。削った土砂を運びます。小さな土の粒子ほど、遠くまで運ばれます。
3つ目は「堆積作用」。川の流れが弱まると、大きな土砂から積もっていきます。
この3つの働きで、様々な地形が作り出されるんです。
ここからは地形について紹介します。1つ目は「氾濫原」です。
氾濫原とは、洪水のときに水があふれ出して浸水する範囲の土地を指します。
洪水時には水と一緒に土砂も流れ出して、氾濫原に積もっていきます。
もともと流れがゆるやかな場所では、洪水で川の流れが変わることもあります。
氾濫原は、次に紹介するように平地の農業にとって、とても重要な場所です!
氾濫原の中でも、川のすぐ近くには「自然堤防」と呼ばれる盛り上がった場所ができます。
これは川のすぐそばでは、粒の大きな土砂が大量に積もるためです。自然堤防は水はけが良いため、果樹園や集落ができやすい場所になっています。
一方、「後背湿地」は川から離れた場所には広がります。
洪水が起きた時、ここには細かい粒子が積もります。水はけが悪い土地が多いので、水田に利用されることが多いです。
自然の地形が、農業のかたちを決めているんですね!
最後に「台地」について。
台地は、まわりの平地よりも一段高くなった地形で、利根川下流域の下総台地や常陸台地などがあげられます。
もともとは1万年以上前の扇状地や平野が、地形変動で持ち上がったりしてできたものなんです。
台地は「洪積台地」とも呼ばれます。
土の性質としては、水はけが悪かったり、保肥力が低いものもありますが、
これらへの対策をおこなったうえで農業利用が進められています!
いかがでしたか?
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★補足情報★
(参考書籍)
新版土壌肥料用語辞典 編者 藤原俊六郎 安西徹郎 小川吉雄 加藤哲郎、2005、農文協
最新地理図表GEO(改訂28版)、2023、第一学習社
三訂版 視覚でとらえるフォトサイエンス地学図録、2016、数研出版
地形のきほん やさしいイラストでしっかりわかる 目代 邦康/著、2025、誠文堂新光社