土壌微生物をイメージしよう①
ようこそ「ひかる泥団子チャンネル」へ!今回は、農学部の講義にふさわしい土壌微生物の解説をお届けします!?
土壌微生物と植物の根の関係をわかりやすく紹介しますよ。微生物の働きや、その役割に迫ります。
ひかる泥団子チャンネルです
今回は、土壌微生物をイメージしてみよう!その①です
土壌微生物と根の関係について説明します
土壌の講義で、土壌微生物の話ってでてくると思います
確かに、作物生産に大事そうな感じもするけれど
いざ畑にでて作物をみても、習った土壌微生物のことって
なかなか生かせないですよね
今回は3点お話しします
①大昔からの植物と土壌微生物の関わり
②根圏の影響
③根圏における土壌微生物の働き、です
一連の動画に出てくる土壌微生物は、細菌と糸状菌についてです
まず、大昔からの植物と土壌微生物の関わりから
大昔、海の中に住んでいた色んな生物は
じょじょに陸上に移り住んできます
大昔の土には、現在のように有機物は含まれていませんでした
そのような状況の中で、植物が生活するために微生物が活躍します
初期の陸上植物の アグラオフィトン の根の部分には
菌根菌という微生物が、共生していたと考えられています
植物と土壌生物の関係って
大昔からすでに始まっていたんですね
なので、現在の作物の根にも
色んな微生物が関わっている、と考えるのがいいみたいです
次に、根圏の影響です
根圏とは、植物の根も含め植物根の影響が及ぶ範囲のことです
根圏の土壌では
根からの分泌物、細胞の隔離物、
根の呼吸により、酸素が吸収され
二酸化炭素が排出されるなど
じつは非根圏の土壌とは、大きく環境が異なっています
環境が異なるため、もちろん微生物の活動も異なってきます
最後に、大昔と同じように植物と微生物は関わっているのですが
根圏での微生物の働きを3つ紹介します
1つ、病原菌の根への侵入を阻止
2つ、窒素やリン酸などの養分吸収の寄与
3つ、植物ホルモンの分泌があげられます
作物栽培においては
このような効果を期待した、微生物資材なども販売・利用されています
いかがでしたか?
なんとなく作物に関わる土壌微生物のイメージがついたでしょうか
次回は、根圏にいる土壌微生物についてもう少し深堀にします
(参考書籍)
新版土壌肥料用語辞典 編者 藤原俊六郎 安西徹郎 小川吉雄 加藤哲郎、2005、農文協
三訂版 視覚でとらえるフォトサイエンス生物図録、2016、数研出版
新版土壌学の基礎 生成・機能・肥沃度・環境 松中照夫[著]、2018、農文協
エッセンシャル土壌微生物学 作物生産のための基礎 南澤究 妹尾啓史[編著者]青山正和 齋藤明広 齋藤雅典[著者]、2021、講談社
(参考文献)
土壌生態圏はいかに進化したか(土壌生態圏の進化と微生物-1) 犬伏和之 齋藤雅典、化学と生物42:47-53(2004)
根圏微生物の機能と作物の生育 松口龍彦、農業技術41巻10号 p.451-457、1986