土壌の分類① 3つの分類を紹介

土壌の分類について解説しました。日常できく「花崗岩質」「粘土質」「黒ボク土」などの分類について、3つの方法を紹介します。地質・地学的、土木・工学的、農業・農学的の視点があるので、違いを解説しています。次回は地質の分類について解説するので、お楽しみに。

土壌の分類について紹介します。土壌の種類っていくつか聞いたことあるけど、どういうふうにわけられているんだろう?と思ったりしませんか?

ここは花崗岩質だから土砂崩れが起きやすい、この土地は粘土質だから家は立てないほうがよい、黒ぼく土だから畑作物に向くなど、日常でもそれっぽい言葉を聞いたりしますよね。

今回は、土にまつわる分け方の3つ紹介します。

この3つが土にかかわる主な分類方法です。

地質・地学的な分類、土木・工学的分類、農業・農学的分類です。3種類の異なった見方があると考えてください。

そのため、ある一つの土地や土について、地質学的な分類だと〇〇、土木・工学的分類だと、何々、農・農業系によるとこれこれ、といえたりします。

共通で使われる用語もあります。それぞれ紹介します。

まず、地質・地学的な分類です。地学の教科書とかにできます。

おもに農業的な土壌よりも下層の状況を表すもので、用語は地層や岩石名が入っていることが多いです。ある地域の地質の分類を知るには、この地質図Naviで調べることができます。地質による分類は、学術的な利用はもちろん、建設や土木工事、災害防止の計画などに活用されることが多いようです。

次に土木・工学的な分類です。

地盤を知るためのボーリング調査などを行ったときに分類されます。地盤の物理的・工学的性質を明らかにして、構造物の設計・施工のために使われます。用語は、「粘土質」、「有機質」など、農学でも使われるものがたくさんあります。

最後に農業・農学的な分類です。

農業・農学的な分類は2つあって土性による分類と、分類体系に沿った分類です。

土性による分類は、土壌中の無機物である礫を除いた、砂・シルト・粘土の割合で決まる分類です。工学的な分類に近いです。体系に沿った分類は、包括的土壌分類第一次試案と、新しい日本土壌分類体系があります。その地域の農地土壌としての特徴を知ることができます。

★補足情報★

(参考文献)

三訂版 視覚でとらえるフォトサイエンス地学図録、2016、数研出版

第二編地質・土質調査編

土質材料の工学的分類

日本土壌分類体系

包括的土壌分類第一次試案

(参考サイト)

地質図Navi

https://gbank.gsj.jp/geonavi/

国土地盤情報検索サイト

https://www.kunijiban.pwri.go.jp/jp/index.html

日本土壌インベントリー

https://soil-inventory.rad.naro.go.jp/