土壌と水分について③ テンションメーター

最終回では、土壌水分をはかるテンションメーターについて詳しく説明します。作物栽培において、水やりの目安や土壌と水分の関係を理解できるかも?!テンションメーターの仕組みや読み方についても詳しく解説しています。

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最終回では、土壌水分をはかるテンションメーターについて詳しく説明します。作物栽培において、水やりの目安や土壌と水分の関係を理解できるかも?!テンションメーター…

土壌と水分について、3回に分けて解説しています。最終回は、土壌水分をはかるテンションメーターについて説明します。作物栽培において、水やりの目安の意味や、土壌と水分の関係が伝わればうれしいです。

仕組みと読み方を解説します。

仕組みですが、テンションメーターの先端は素焼きのカップになっています。

土壌中の水分はここを出入りできます。

こちらの部分は水が入っていて、この水が下がるとこの空間の圧力が変わりそれがメーターに反映されます。読み方は、一般的に赤色部分を指せば、水やりのタイミングです。

このメーター部分ですが、どのような状況を指しているのかもう少し詳しく説明します。

このような図、土づくりのテキストや見たことないですか。作物の利用面から見た土壌水分の分類です。図の上部にある数字ですが、数字が大きいと作物にとって水不足で、小さいと水分が多いといったことを指しています。これまでの知見から作物が利用できる範囲はpF1.8-3.0程度とされています。テンションメーターを書き直すと、このようになります。

なんだかややこしい感じがしませんか?pFなんて知らない単位じゃなくて、土壌中の水分の量でこういうの判断できそう、って思いませんか? ややこしそうな単位を使う理由は、土壌の種類によって水分の保持力が違うからなんです。そのため、水の量だけでは作物の生育に水分が足りているか判断できません。例えば前回の動画で、粘土が多い埴土は保水力が高いことを説明しました。埴土だと、土壌にある程度水分量があっても、保持力が強すぎて、作物が水分を利用できないって状況もあり得ます。

★補足情報★

(参考書籍)

新版土壌学の基礎 生成・機能・肥沃度・環境 松中照夫[著]、2018、農文協

土壌サイエンス入門 第2版、木村眞人 南條正巳、2018、文栄堂出版

新版土壌肥料用語辞典 編者 藤原俊六郎 安西徹郎 小川吉雄 加藤哲郎、2005、農文協

(テンションメーターを販売しているメーカーの例)

株式会社竹村電機製作所

https://www.demetra.co.jp/

大起理化工業株式会社

https://www.daiki.co.jp/