堆肥がおこす生育阻害の要因

堆肥をつくるとき、何に気を付けていますか?堆肥も注意してつくらないと、失敗して作物がうまく育たない場合があります。原因を2つ紹介します。

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堆肥をつくるとき、何に気を付けていますか?堆肥も注意してつくらないと、失敗して作物がうまく育たない場合があります。原因を2つ紹介します。(参考書籍)堆肥・有機質…

今回は、堆肥がおこす生育阻害の要因についてです。作物を栽培するとき、土づくりのために堆肥を入れることがありますよね。でも、せっかく堆肥を入れたのに、栽培がうまくいかなかった、という話は聞きませんか?今回は堆肥の原材料と堆肥化の作業の面からその要因を説明します。

まず、堆肥の生育阻害の要因を5つ紹介します。

1つ、養分である窒素が少なくて生育しない

2つ、アンモニア臭がしてしまうくらい窒素が多すぎる

3つ、土壌病害が発生する

4つ、雑草が多くなった

5つ、有害物質によって生育障害が起きる

があげられます。

これらは、原材料のアンバランスと、堆肥化作業の失敗に分けられます。それぞれ説明します。

まず原材料のアンバランスについてです。

堆肥の原材料には、作物の残渣、家畜の糞尿、樹木の皮であるバークなどがあげられます。

ここで重要な考え方は、炭素の量と窒素の量のバランスです。

なぜなら混ぜた原材料をたい肥にする、土壌生物たちの活動に影響するからです。

炭素が多すぎるとき、微生物は窒素を体内に取り込んでしまい、作物にとって必要な窒素が不足してしまいます。反対に窒素が多すぎると、微生物は窒素を土に放出しますが、

アンモニア態窒素は多くなりすぎ、アンモニア臭や生育阻害の原因になります。

原材料の炭素が多すぎても、窒素が多すぎてもよくありません。バランスが大事です。

次に堆肥化作業の失敗について説明します。

体積期間中に温度が上がることで病原菌や雑草の種子が死滅します。

また木の皮などに含まれるフェノールは生育障害を起こす有害物質であるため、微生物により十分に分解させることが大事です

酸素がないと温度を上げ続けたり、微生物による分解を促進できずに失敗してしまいます。堆肥を積みなおすなどで全体的に酸素を供給することが失敗しないコツです。

参考になる部分はありましたか。今回は堆肥がおこす生育阻害の要因について説明しました。

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★補足情報★

(参考書籍)
堆肥・有機質肥料の基礎知識 西尾道徳、2007、農文協

(参考文献)
木質物の堆肥化過程の解析と木質系堆肥の熟度の基準値策定に関する研究 佐藤俊、林業試験場研究報告 第334号、1985