土の硬さについて③ 硬さの要因
土の硬さについての最終回です。土が硬くなる理由は複雑なのですが、私なりに3つにまとめて解説しています。
今回は、土の硬さについてです。3回に分けて解説します。最終回は土の硬さの要因(?)について解説します。
土壌の物理性に興味をもってもらえたり、土づくりを取り組むきっかけになればうれしいです。
まず初めに土の硬さについてお伝えしたいことがあるんです。土の硬さというのは、様々な要因が重なって示される指標だということです。
土の硬さに関わっている要因を私なりに3つを紹介します。
固相、粒子の大きさ、水分と考えています。それぞれお話しします。
固相部分についてです。
固相とは土壌の三相の一つで、ほかに気相、液相があります。
固相率は土壌の無機物、有機物などの固体部分の割合です。土の硬さは、固相率が下がると柔らかくなる傾向にあります。
土を柔らかくしたときは、粗大な有機物をいれると、固相率がさがり土が柔らかくなります。
次に土壌粒子の大きさについてです。
土壌粒子の大きさは砂、シルト、粘土に分けられています。土壌の種類によってこの割合は変わってきます。
土の硬さで気を付けたいのは、粘土の割合が多い土壌です。
細粒質の水田にあてはまるのですが、粘土が多いと、土壌が柔らかくなったり、硬くなったり、土の硬さの変化が大きくなります。
最後、3つ目は水分です。
土壌中の水分と、土の硬さの関係ですが、水分が多いと土は柔らかくなる傾向にあります。
雨上がりや雪解け直後の畑に入って、長靴がはまって抜け出せなくなりそうになった経験はありませんか?
複雑ですが、土壌中の水分などから土の硬さを予測できる式もあります。
★補足情報★
(参考書籍)
作物生産学(II)-土壌環境技術編- 編集者 松本聰 三枝正彦、1998、文永堂出版