水稲栽培における石灰と苦土の溶脱について
水稲栽培でおきる、カルシウムやマグネシウムが抜け出す理由を簡潔に解説しています。
【内容】
ひかる泥団子チャンネルです。
このチャンネルでは、土壌や土づくりについて、科学っぽい情報を中心に発信しています。
今回は、水稲栽培における石灰と苦土の溶脱についてです。溶脱は、土の専門用語で土壌から成分が抜け出すことです。
水稲農家さんが、苦土石灰や石灰窒素といった資材を利用する一面が伝わればと思います。
まず、土壌で起きる現象について説明します。今回は、プラスのイオンの一部とマイナスのイオン一緒になって流れる、ということです。
土壌溶液が抜け出とき、プラスのイオンとマイナスのイオンが一緒になって抜け出します
土壌溶液とは、土の中にある水分のことで、この水分には溶けだした肥料分などが含まれています。
水稲栽培の圃場では、土への養分補給ため、収穫後に稲わらやモミガラを鋤き込む場合があります。稲わらやモミガラは、炭素率が高いため、分解が緩やかな有機物です。完全に分解されないまま、次の栽培が始まることもあります。
そのまま湛水条件になると、有機酸が発生します。土壌に発生する有機酸とは酢酸や酪酸などです。有機酸は土壌溶液中では、マイナスのイオンになります。
肥料分であるカルシウム、マグネシウムは作物の栽培に重要ですが、これらは土壌溶液中でプラスのイオンになります。一部ですがカルシウムやマグネシウムは有機酸と一緒に溶脱してします。
稲わら、もみ殻を鋤き込む場合、石灰や苦土についても注意が必要なんです。
そのために、水稲農家さんは3つのことを考えていると思います
一つ、炭酸カルシウム、苦土石灰などの石灰資材の施用量
二つ、有機物の分解を早める石灰窒素などの利用
三つ、土壌分析による石灰・苦土の蓄積状態を確認 です。
参考になる部分はありましたか。今回の動画では、水稲栽培における石灰と苦土の溶脱について説明しました。
土壌や土づくりが面白いなと思った方は、気軽に高評価や、チャンネル登録をお願いします。では、また次の動画でお会いしましょう。
【補足】
(注意点)
カルシウム、マグネシウム以外の肥料分もありますが、今回の動画では省いています