土壌と水分について① 用語の紹介
作物の成長には水が必要ですが、土にしみ込むとどうなるか、作物が利用できる水について3回に分けて解説します。初回は、透水性・保水性・排水性の3つの言葉を紹介します。透水性は浸透しやすさを、保水性は水分保持能力を示し、排水性は水の流出具合を指します。次回では、水分の保持要因について説明します。
土壌と水分について、3回に分けて解説します。作物が成長するのに水は必要ですよね。田んぼの場合は、水路から水を引いたり、ハウスだと灌漑するなどの水のやり方があります。水やりしたあと、どうなるのか考えたことありますか?初回は、水が関わる用語を3つ紹介します。
農業の現場で、この3つの用語が使われます。
透水性、保水性、排水性です。
なんとなく似たような言葉ですが、それぞれ説明します。
土壌と水分の一連の動画を見てもらうと土壌の物理性改善をしたいとき、何に取り組むべきか想像できるようになります。
まずは透水性。
土の性質を表す言葉で、土壌中への浸透しやすさを表すものです。水田でも、畑でも使われます。畑だと、1秒間に10-3/10-4センチほど浸透するのがよいとされています。透水性が悪い圃場では、地下水位が高い、耕盤層がある、などの原因が考えられます。
次に保水性です。
こちらも土の性質を表す言葉で、土壌が水分を保持する能力を指します。保水性は土性によって異なります。砂が多い砂土、粘土が多い埴土といった土性が異なる場合、どうなるのでしょうか。この保水の程度は土壌水分保水曲線でだいたいわかっています。例えば砂土は、この曲線部分から、すぐに乾燥してしまい、埴土中の水分は持続しやすいといったことが分かっています。
最後に排水性。
先ほどの2つと違い農業土木で使われることが多いです。こちらは圃場に入った水が外に出ていく程度を指す言葉です。人の生活や作物の生育にあうようにコントロールするもので、排水不良、排水過多といった言葉で表します。
水田転換畑で排水性をよくするのに、明渠や、暗渠を施工したりしますよね。
★補足情報★
(参考書籍)
土壌サイエンス入門 第2版、木村眞人 南條正巳、2018、文栄堂出版
農地環境工学 編集者 山路永司 塩沢昌、2008、文永堂出版